それぞれの違い

ウイルス性肝炎とは、肝臓の細胞が肝炎ウイルスに感染し、炎症を起こすことをいいます。日本でボピュラーな肝炎ウイルスは、A型、B型、C型、E型の4種類です。その感染経路には大別すると「経口感染」と「血液感染」の2つがあります。
A型、E型のウイルスは一過性ですが、B型は慢性化する可能性があり、C型は高い確率で慢性化します。そのほか、EB(エプスタイン・バール)ウイルスやサイトメガロウイルスも急性肝炎を起こすウイルスとして知られています。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染による一過性肝炎です。あまり馴染みがないように思うかもしれませんが、日本では、年間約20万人が発症するといわれていて、急性肝炎のおよそ4割を占めます。2~6週間の潜伏期間を経て、38℃以上の急激な発熱で発症し、通常1~2ヶ月で治癒しますが、時に黄疸が長引く症例があります。しかし慢性化することはありません。一度A型肝炎になって治ると、抗体(HA抗体)ができて永久免疫として体の中に残るので、二度とA型肝炎にかかることはないのです。子どもの時にかかる麻疹(はしか)のようなものです。








垂直感染同じ血液感染といっても、B型とC型の肝炎ウイルスでは、感染力が感染経路においてかなり違います。
B型肝炎ウイルスは感染力が強く、主に出産の際、母親から産まれるまさにその瞬間に血液を介して胎児に感染します。これを垂直感染といいます。B型肝炎ウイルスに感染した乳児は、そのあとキャリア、すなわちウイルス保持者となり、中学から大学生の頃になって慢性肝炎を発症することが多いのです。
胎児期の感染に対して、成人での感染は水平感染といい、急性肝炎を発症して3ヶ月ほどで完治することが多く、肝炎が長期化することはほとんどないと思われます。

輸血一方、C型肝炎ウイルスは感染力が弱く、母子感染や性行為など日常生活での感染がごく少数で、ほとんどの感染が血液を介して引き起こされます。そして、急性肝炎になったあと、そのうち70~80%の人が慢性に移行しています。その原因の多くは、C型肝炎ウイルスに汚染された血液を患者さんに輸血したことで起こる、水平感染です。
いまでこそ輸血用の血液は厳しくチェックされ、輸血での感染はほとんどなくなりましたが、C型肝炎ウイルスが発見される以前に輸血をした人のあいだで、感染が広がっていきました。