消毒方法
肝炎患者さんの血液に触れてしまった場合は、石けんでよく洗い流すようにしてください。そして、感染が心配なときは、念のために受診したほうがよいでしょう。さらに、唾液からウイルス感染することはありませんが、歯茎から血が出るなど、口のなかに出血がある場合は感染のおそれが少なからずあるため、親など大人が乳幼児に口移しで食べ物を与えることは、控えたほうが無難だと思われます。
痔がひどい場合に、痔によって出血した血液が感染源にならないようにするには、便座に血液が付着した場合はすぐにペーパーでふき取って流し、下着の場合はすぐに水洗いします。そのあと、熱湯や塩素系の消毒液に浸けるなどして、ウイルスの感染力をなくすとよいでしょう。
家族がその血液に接触してしまったときは、その部分を水洗いしてください。もしも接触部分に傷があったときは、血液を絞り出すようにしながら、水で洗い流します。
注意することなど
今は薬物の乱用、入れ墨、ボディーピアスなどの経験のある一部の人には感染リスクはあるものの、日常生活で新たに肝炎に感染することはほとんどありません。つまり、肝炎ウイルスがいるかいないかの検査は、一度受ければすむのです。なんの覚えもないのに感染している可能性があるところに肝炎ウイルスのこわさがあります。過去に検査を受けたことのない人は、1回だけでよいので、肝炎ウイルスの有無について調べてみましょう。
肝炎ウイルスは、日常生活を送っている分には、患者さんの周囲の人に感染する可能性はほとんどありません。しかし、以前に輸血や血液製剤を使った治療の経験や、注射針などを共有したおそれがある場合、感染の可能性を疑ったほうがよいでしょう。
感染の経路として大多数を占めるのは、輸血によるものです。1992年よりも以前に輸血を受けた経験がある人は、肝炎ウイルスに感染している場合があります。1992年以前は、輸血の血液から肝炎ウイルスに感染した血液を排除するための十分な手だてが講じられていなかったので、感染していることがあるのです。
長期に血液透析を受けている患者さんも、肝炎ウイルスに感染している可能性が高いといえます。厚生労働省の調査では、年間の透析患者の2.2%が新たにに肝炎ウイルスに感染しています。
血友病の治療などで輸入非加熱血液凝固因子製剤を使った人や、大きな手術などで止血剤として使われるフィブリノゲン製剤(フィブリン糊を含む)を使った人も、感染の可能性が高いと考えられています。
出産痔の帝王切開や大きな手術を受けた人のなかには、治療としてフィブリノゲン製剤が使われたのかどうかわからない人も多いことでしょう。ですから、帝王切開を受けた人や大きな手術を受けたことのある人は、一度、検査を受けることが大切です。
ワクチン
現在、A型肝炎ウイルスのワクチンはすでに開発されており、衛生状態のよくない国に旅行する際には、予防接種を受けることができます。しかし、E型肝炎ウイルスのワクチンは開発中のため、国内ではシカ、イノシシ、ヒツジの生肉を食べる際には注意が必要です。
またB型肝炎ウイルスのワクチンも開発されているので、予防が可能になっています。
ところが、日本人にもっとも多いC型肝炎を予防するワクチンは、現在開発中のため、未然に防ぐことがむずかしい状況にあります。
