B型肝炎は、進行を未然に防ぐ治療薬が次々と開発されています。これは発がんを防ぐ対策でもあります。目覚ましい進歩を遂げているのは、「核酸アナログ製剤」という3種類の内服薬です。一日1回飲むことで、B型肝炎ウイルスがほぼ制御されるところまできました。ただし長年飲まないといけません。ウイルスの増殖を抑える薬ですから、体の中から完全にウイルスがいなくなるわけではありませんが、発がんのリスクはグンと下がります。毎日飲むだけでいいのですから、抗ウイルス薬の進歩はキャリアの人たちにとって大きな福音です。
ただし、いずれも催奇形性があるので、妊娠を希望している患者さんには処方できません。その場合はインターフェロンの使用となります。核酸アナログ製剤のように長期にわたって内服するのではなく、2~6ヶ月をめどに注射をします。インターフェロンはC型肝炎ウイルスの抑制・駆除に使われる注射薬で、日本肝臓学会では35歳で区切りをつけて奨励しています。HBe抗原陽性で35歳未満であれば、インターフェロン、35歳以上なら核酸アナログ製剤というのが基本的な考え方です。
C型肝炎はC型肝炎ウイルスを体から排除してしまえば完治できる病気です。C型肝炎が完治すれば、肝がんを発症する心配が激減します。したがって第一選択はインターフェロンによる抗ウイルス療法となります。インターフェロンにもいくつかの種類があり、また併用する薬や副作用のことを考え合わせる必要もあるので、専門医による診断が欠かせません。
助成金について
厚生労働省では2008年より、B型およびC型肝炎のインターフェロン治療に対して、医療費助成を行っています。その理由として、次の3つがあげられます。
2. 肝炎に対するインターフェロン治療が奏功すれば完治が可能であり、その結果、肝硬変や肝がんといった、より重篤な病態への進行を防止できること
3. しかし、インターフェロン治療が高額で、しかも半年から1年は続くために医学的治療の必要性は認められても、患者さんの負担が大きく治療を受けられない状況があること
こうしたことから、早期治療の推進のために医療費助成制度が設けられたのです。
患者さんの世帯所得(市町村民税課税年額)に応じ、その自己負担を3段階に分けて月額1~5万円に軽減されています。
たとえば、上限の月額が1万円と認定された患者さんの場合、医療費が7万円かかったとしても、本人が医療機関に支払う金額は1万でよいのです。
公費助成金を受給するためには、インターフェロン治療を必要としている内容を示す診断書などのようないくつかの書類が必要となります。都道府県によって手続きや書類が異なるため、あらかじめ医療機関で確認してください。
